心から祈るというのはどういうことか
時代は思想弾圧で行方不明、拷問、誘拐。
のちのローマ法王ベルゴリオが知る真の祈りとは。
私のように思想がない人間でも、言葉がスペイン語?イタリア語?ドイツ語?
全く理解できなくても、
その人が感じる痛みに、人は共感できるし、
寄り添いたいと思うことはできる。
祈り、信じ、あきらめない月日に
その答えがあるのだと。
ローマ法王の半生を通じ、平和を祈る時間でした。
あらすじ
時代は暗黒のビデラによるアルゼンチン独裁政権時代。
宗教映画ではなく、神を信じ、信仰に生きる男の物語
のちのローマ法王、ベルゴリオを描いた作品。
史上初のアメリカ大陸出身のカトリック教会長となるまでの道のり。
心に残った個所
スペイン語の映画
字幕だったとはいえ、見ながらついていくのがやっとでしたが、
映画に身を任せると、見えてくるものがありました。
そこには
貧困
私は貧しい人々のための貧しい教会を望みます
のちの法王になった後のセリフです。
誰もが結んでしまう苦悩の結び目をマリア様が説いてくれる。
私の苦悩も解いてもらおう。
涙が出てきました。
久々に買ってよかったパンフレット
わからない箇所をのちに理解するのにパンフレットを買って久しぶりに良かったと思いました。小説を読んているように、シーンが蘇ります。
監督は宗教に関してはというインタビューで
その世界を尊重しつつ、見下すことも見上げることもなく語ることに徹した。
願わくば、宗教に関心のないひとにとっても感動的なものであってほしい
残酷なシーン
飛行機から人が投げ出されるシーン
これも、作った話ではなく、実際の出来事。知らない人がたくさんいる歴史上のお話です。
この文がこの映画がどんな映画かをよくあらわしていると思い、パンフレットから抜粋させていただきます。
彼の生きた時代は、まさに3万人に及ぶ強制失踪という悲劇を生んだビデラ政権によるアルゼンチン独裁政治と並走することになる。多くの市民が反勢力の嫌疑で捕らえられ、教会に助けを求めるも、軍の意に添わぬ言動をしたものは神父でさえ、簡単に命を奪われる。ベルゴリオの仲間や友人も、次々と謎の失踪をし、命を奪われていく。そのハラハラ迫りくる恐怖と圧迫感が、ベルゴリオの深まる苦悩と相まって、スクリーンに充満してゆく。
弱者に寄り添いながら、軍部と教会と言う2つの勢力の間で、いかにベルゴリオが人々を救おうと奔走し、また彼自身がどう生き延びてきたか。
本作は、いかにも英雄として彼を描き出すことはしない。自分の無力さに打ちのめされ、時に信条に反して仲間を説得し、怒りに震えて嗚咽を漏らすベルゴリオの姿や息遣いを、等身大の人間としてリアルに映し出す。それによってわれわれは、遠い国の過去の出来事としてではなく、非常にエモーショナルに彼が生きた時代を追体験させられることになるまた。だから想像を絶する苦難の時代こそが、後にローマ法王に選出されるに至るベルゴリオの信仰の強さや勇気を、より強固なものにしていったということが心に強く響く。
ついに暗黒期が終焉し、信じられないといった表情でドイツに留学した彼が、結び目を解く聖母マリアの絵に出会い、耐えきれずに涙を流す場面には胸を締め付けられずにはいられない。彼が愛した人々、救おうとした人々、救えなかった人々、そして彼を支えた人々と織り成すベルゴリオの壮絶なドラマは、驚愕と深い感銘、感動を我々に与えてくれる。
この法王は今も世界の指導者たちに苦言を呈し、国と国との結び目を解き続けている
トランプ大統領の極端な移民政策へは
人々の架け橋でばく壁を造ろうとする人はキリスト教徒ではない
司祭としての人生、一人の人間としての人生を丁寧に描いていたから、心に迫る作品でした。