実際憎い人を殺せるわけでもなく、そんな人が目の前にいるわけでもない。
思ってもいないのですが、人間の感情としてあるものであること。思い出させてくれる本でした。
ファンじゃなくても1冊手に取った人はもう2作品は読ませてしまう作家。3作品目を手にとってしまいました。
「ホワイトラビット」伊坂幸太郎著
どうしてまた手に取ってしまったのだろう?
前回読んだ「オーデュボンの祈り」と同じで、心と体を傷つけるのが大好きな登場人物を、木っ端みじんに裁くお話でした。
木っ端微塵の裁きっぷりに、共感を覚えるからです。
立て篭もり事件×レミゼラブル×オリオン座
という
誰も思いつかない掛け算で物語が展開し、
あっという間に読みきりました。
私も普段は殺したいほど憎い人なんていないんですが、お話の登場人物を裁きたい気持ちにかられてしまい、裁いた気持ちになります。
さばいてる人間も罪深い人間だったりもするのですが。
罪のない人間はいない
と、文中にもあるように。
読んでいて気持ち悪くならないのかという質問に対しては、今回はリズムカルなお話として300ページほどでした。
殺人事件をリズムカルにというと変ですけれども、オリオン座とレミゼラブルが出てくるからです。
4冊目を手に取るかは、もう少し時間をおいて考えさせてください。
一つ一つの作品にの消化に時間がかかります。