あの日を振り返る
私は布団の中にいた。
父が酔っ払って帰ってきたの気づいていた。私は寝ていた。
寝室の中暗くて時計が見えなかった。
以前よりリモコンが作動しておらず、小さな明かりもつけられない。時計の時刻が確認できない。右と左には子供が寝ていて私は身動きできなかった。起きると子供が眼を覚ますのだ。父は一度寝室に入ってきて、その寝室から出て、なかなか戻ってこなかった。
戻ってこないことに気がついていた。
なぜならずっと私は戻ってこないことを気にしてそのベットの中で身動きせず起きていたのだから。
3年前だった。
同じようなことがあった。
あの時は私の目の前でそれが起きた。
だから、部屋にきちんと戻るまで私は寝れていなかった。
弟が廊下を走ってきた。
またやった
今救急車呼んでいる
ベットから飛び起き、玄関に行ったら目を見開いて泡を吹いている父親がいた。
それから5日後、父は亡くなった。
仲の悪い父親だった。
ほんとに相性が悪かった。私にとっても、弟にとっても。ははだけがうまくやれた。その母が先になくなり仲介する人がいなくなった。
あれから7年、よくこの家族で過ごしてきたと思う。
私の心の中に
父とこれからどうやって付き合っていったらいいんだろう。
常に不安であり悩みの種だった。
それでもまだ自分のことは自分でしている事は問題は大きくならないと見て見ぬ振りをしていた。
父が私の目の前から消えたとき、それで悩みは終わると想像していた。
それが終わらなかった。
私の問題は父ではなかった。
毎晩寝れない日が続いた。
今まで背負わせていた荷物をまるで私が背負うことになったような重荷と責任を感じはじめた。
何とも言われなく孤独を感じた。
不安で押し流させそうになる自分を毎晩感じた。
もっと早く気づいてあげれてたら。
私が早く発見したからといって、生きていたわけではない。それでも何時間もアスファルトの上にどれぐらい横たわっていたのか想像すると辛い。
どのぐらいの苦しみがあったのか考えるとつらい。
そんな目に合わせたかったわけではない 。
ベットから起き上がっていたら。すぐに様子を見に行ってたらといつまでも後悔だけが胸をよぎる。
先日、寝れてないと病院で打ち明けた。薬剤師なので勝手に睡眠薬をつまんでいると。
すると、その晩から寝れるようになった。