冬の喝采を読んでいて。
瀬古利彦さんはご存知でしょうか。
私は有名なマラソンランナーとして記憶しています。
オリンピックのマラソンのメダリスト。
色がなんだったか記憶にはないのですが、金ではなかった気がする。
そんな印象です。
文章には瀬古さんを表現する場面が随所に出てきます。
才能あふれた選手として自分の前に常にいたのが、まるで自分の体験かのように綴られています。
そこに、嫉妬はありません。
離れていたのですね。
彼は主人公金山君のはるか前方で、背中を辛うじてとらえている状態だったようです。
- あんな人と俺たちは一緒のチームにいるんだなぁ。頷きながら感動のあまり、涙が出そうになった。
- 瀬古の走りは強さと言い、美しさと言い、国宝級の芸術品だった。
- 他の選手に引っ張ってもらったり、競い合ったりしながら走るのと一人で走るのでは苦しさが全然違うので、私たちは一人でよくあんなに走れるもんだなぁと感心していた。
ドンドン物語のなかで、自分も走っている感覚になりました。
走っている光景も感じることができます。
冬の雪の匂いの風を感じながら走ると、昔の記憶と結びつく
こんな表現だと、吐く息が白く、空気がピーンとしているのが伝わりした。
静かなんですよね。
ようやくケガが治り、故郷の北海道のレースで久しぶりの再会を果たす、知人のランナーとの会話
2度しかレースで一緒ではないが、ランナーとしての原風景が同じ人であると表現することで、相手への抱いた思いを私も感じることができました。
もう少しで上巻が終わります。