この本を読んで。
思い出しました。
とにかく思い出しました。
24歳からの5年くらいの自分を。
もう、あれから20年もたっちゃった。
あの頃のことが、言語化されて、目の前に本として映像のように読めました。
読んだら色々あの頃のことを、ありありと思い出して。
カギの音、窓を開ける音、薄暗い汚い狭い部屋、外にある洗濯機、狭い風呂、トイレ、近くのコンビニ、歯医者、魚屋、スーパー。
楽しくなかったな。(笑)
まったく楽しみを感じられなかった大学卒業後からの5年間。
それでも、生きていたな。
自分とことを色々思い出させてくれました。
仕事と家の往復。
休みの日に何をしていいかわからない。起きて今日1日どうやって過ごそうか。
途方に暮れたあの夕方。
買い物で憂さ晴らし、満たされぬ心。孤独。
そんな映像が胸に渡来しました。
あの、辛く、けだるい感じ。
そして、寝れなくなりました。
映像でないのに。
この小説が思い出させたのです。
タカをくくって読み始めました。
芸人が書くものだ、話題だけでしょ。
そう思いたかったのかもしれません。
違いました。
心が凍えました。
恋愛小説?今更自分がそんなの読んだって。
それでも手に取りました。
私はなんでこの本を買ったんだ?
もう一度よく思い出したい。
駄目だ。
全く楽しかったことが思い出せない。
仲間との青春のようなたむろう姿も見当たらない。
金曜の夜に仕事場の仲間と食事?
そんなことも一度もなかった。
最後に彼女は彼にこう告げる。
わたしね、東京に来てすぐにこれは全然かなわないな。何もできないなって思ってたから、永くんとあえて本当にうれしかった
そうなんだよね。
自分は東京にはかなわなかった。
だから
かなったはずの又吉さんの本を読みたくなんたのかもしれない。
今もこの小説の彼はどこかて演劇を続けているのかな?
あっ、私は過去にも今も演劇はやってません。(笑)